12月スクーリング
「クリエイターのたまご講座」開催レポート
ブランドマーケティングコンサルタント編
ゲスト:有田貴美江さん (株)有田貴美江事務所 代表取締役
2024年12月29日、Creamにて、ブランドマーケティングコンサルタントの有田貴美江さんをゲストに迎え、クリエイターのたまご講座を開催。
クリエイターのたまご講座は、中・高生や大学生を主な対象にしており、これからの進路やキャリアを考えるにあたり、現在活躍されているクリエイターの方からどのように今の仕事に携わるようになったのかをお聞きする機会として開催しました。
ブランドマーケティングコンサルタント編となる今回は、福井市出身の(株)有田貴美江事務所 代表取締役の有田貴美江さんをゲストにお迎えし、中・高生と大学生、一般の方も含め17名が参加されました。
有田さん自身の幼少期から学生時代までの生活やどんな学生だったかのお話からスタート。学生時代は同志社大学の国文学を専攻されていました。当時はプロダクションに入りたいと思っていたけれど、そういった情報もなく、就職氷河期といわれ、新卒の採用も厳しい時代の中、大日本印刷に入社し、広告企画のディレクターとして活動。
その後、広告からPRへと領域を広げるため、八木通商で海外アパレルブランドのブランドイメージ戦略に携われました。そこからルイ・ヴィトン、イブ・サンローランへと移籍し、広告、販売促進、カスタマーリレーションマネジメントなどを行う、コミュケーションマネージャーに就任。役職が上がっていくに連れ、マネジメントの難しさにも直面したといいます。
それから、一度仕事を辞め、単身ニューヨークへ移住。多様な人々との交流の中で、役職もない“個”の自分としてのあり方を心地よく感じていたそうです。
さまざまな出会いからアメリカの大手アパレルGAPとの出会いもあり、GAPに移籍、そこでは、ヨーロッパ企業とは違い、アメリカ企業のデジタル化の取組みから、デジタルコミュニケーションを経験されたそうです。そして、Amazonへの移籍では、Eコマースの広報戦略マネージャーとして活躍。その後のロレアルでは広告とデジタルの両方を活かしたマネジメントを行い、新規事業の事業部長を務めてきました。
そして、福井市デジタル田園都市構想総合戦略有識者会議委員や福井県経済ビジョン推進会議委員に委嘱されたことで、福井とのご縁が再び生まれ、故郷に貢献できる喜びを感じているといいます。
現在は独立して福井の他にもさまざまな地域のブランドマーケティングコンサルタントとして活躍されています。
有田さんは、自身の経験から“行動しないより行動したもの勝ち”、“安定したことより新しいチャレンジを選択”してきたといいます。
また、現在の社会はVUCAという先行きが見えづらく複雑な状況の中、自身が今後の展望として、心がけていることに、“個” “自由” “志” “しなやかに” の4つの言葉を挙げ、時代の変化が激しい中、柳の木のようなしなやかさは、今いわれているレジリエンス(再生)につながっているのではないか。“しなやかに”生きていくためにも“個”を軸にする大切さや、“自由”は自分で責任をもつこと、“志”はパーパスをもつこと、というお話をされ、それは、グローバルに活躍するにも、地域で活躍するにも変わりないのではないかとお話されました。
有田さんのこれまでのキャリアや自身の考えについてお話いただいた後の、感想や質問の共有の時間では、学生から自分をどうもつといいのか、自分の軸について悩んでいたけれど、自分をしなやかに、再生させていくという言葉が印象に残ったという感想や、ブランドマーケティングコンサルタントという現在の仕事についての質問には、「自分の仕事は、トランスレーター(翻訳)というより、インタープリター(解釈)する役割だと思っている。クリエイティブチームとクライアントとの橋渡しをするディレクションにはクリエイティブの意図をクライアントに伝えるための言語化を行っている」とお応えされ、一つの専門性をもつことも大切だが、専門領域を変えていくことで見えてくる景色も広がっていくので、これからの進路やキャリアを考える上でそういった意識をもつとよいのではないか。
と、最後に参加された中高生・学生にメッセージを伝えられました。